しつげんのアメマス [アメマス]
【2012年3月某日】
単独で釣りに出かけることの多い私ですが、毎年3月になると決まって
ある友人からお誘いのメールが届きます。
『川が開きましたよ!来ませんか?(^^)』
釣り仲間のT君からです。
彼が住む街の近くには、湿原をぬって流れるアメマスが釣れるY川があるのです。
湿原の川は比較的水温が安定していて、一般的な川より早めに解氷します。
ルアーシーズンの幕開けは、いつもこの川からスタートしていました。
「お久しぶりです!」
午前8時に待ち合わせのポイントに到着すると、すでにT君が待っていました。
彼はルアーもフライも器用にこなしますが、今日は私に合わせてルアーで参戦です。
ここのアメマスなんですが、実は一筋縄にはいきません。
この時期の水温は、まだまだ低く魚の活性が低いだけではなく、解氷し始めると
そこに釣り人が集中して、アメマスに相当なプレッシャーがかかっている状態です。
前年までは10g前後のスプーンやワームなどで、川底を叩くように狙っていましたが、
釣果は今イチでどうもしっくりきていませんでした。
釣果を出している人にはフライマンが多く、どうもルアーには無いナチュラルなアクションにヒントがあるような気がしていました。
そこで今年、私はあらかじめ家で3~5gのジグヘッドにフェザーなどを巻いた
自作のルアーをワレットにしのばせてきました。
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そしてこの日それがドンピシャリ!
周りでポツポツ程度に釣れている中、一人爆釣に酔いしれることとなりました。
底まで沈めた後、ごく自然に川エビが泳ぐがごとく、スーーン・スーーンとスローな
STOP&GOでアクションさせると面白いようにヒットしました。
釣り始めて2時間で20本を数え、60オーバーも2本混じりすでに私は左うちわモード。
隣で苦戦していたT君がシビレを切らして私に、
「ちょっとそのルアー貸してくれません?」
と、言ってきました。
「別にいいけど…どうかなぁ…釣れるかなぁw」
素直に貸してあげればいいものを、私は高飛車な一言を付け加えました。
T君は私より年下ですが釣歴も長く、ルアーに関してのKnowHowだって間違いなく
上のアングラーです。
その証拠にすぐにこのルアーアクションのコツを掴んだT君は、ヒットを続けることになります。
私はそれまでの自分の釣果に満足していたので、T君に対して
「いいねいいねーw」
「お、さっきよりサイズアップしたんじゃない?」
などと最初は余裕のエールを送っていました。
しかしそのうち、さすがT君ロッドを大きくしならせます。
「でかい?」
「はい…でかいっス!」
ネットを持って近づくとちょうどアメマスが浮いてきました。
それは紛れも無く大物で、その日私が釣った60オーバーより一回りは大きなサイズでした。
私は、自作ルアーにヒットして嬉しいという半面、『やられた!』という嫉妬心を抱くのでした。
そんな私は思わず、
「アメちゃん!逃げて!」
と、冗談とも付かないことを言ってしまったのです。
「やめてくださいよwww」
と言いながらアメマスとファイトを続けるT君。
「ハハハw」
と誤魔化しつつファイトを見守ります。
しかし次の瞬間、ブチッと大きめの音とともになんと痛恨のラインブレイク。
足元の水草の中に走りこまれた直後のことでした。
「うわああ!マジでええ?」
その場にへたり込んでしまうT君なのでした。
私、
「・・・」
その後、釣りを続けるもアメマスより活性の落ちた私達は、間もなく納竿して帰路につきました。
T君、もう失言には気をつけるから来年も誘ってね。
《おわり》
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単独で釣りに出かけることの多い私ですが、毎年3月になると決まって
ある友人からお誘いのメールが届きます。
『川が開きましたよ!来ませんか?(^^)』
釣り仲間のT君からです。
彼が住む街の近くには、湿原をぬって流れるアメマスが釣れるY川があるのです。
湿原の川は比較的水温が安定していて、一般的な川より早めに解氷します。
ルアーシーズンの幕開けは、いつもこの川からスタートしていました。
「お久しぶりです!」
午前8時に待ち合わせのポイントに到着すると、すでにT君が待っていました。
彼はルアーもフライも器用にこなしますが、今日は私に合わせてルアーで参戦です。
ここのアメマスなんですが、実は一筋縄にはいきません。
この時期の水温は、まだまだ低く魚の活性が低いだけではなく、解氷し始めると
そこに釣り人が集中して、アメマスに相当なプレッシャーがかかっている状態です。
前年までは10g前後のスプーンやワームなどで、川底を叩くように狙っていましたが、
釣果は今イチでどうもしっくりきていませんでした。
釣果を出している人にはフライマンが多く、どうもルアーには無いナチュラルなアクションにヒントがあるような気がしていました。
そこで今年、私はあらかじめ家で3~5gのジグヘッドにフェザーなどを巻いた
自作のルアーをワレットにしのばせてきました。
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そしてこの日それがドンピシャリ!
周りでポツポツ程度に釣れている中、一人爆釣に酔いしれることとなりました。
底まで沈めた後、ごく自然に川エビが泳ぐがごとく、スーーン・スーーンとスローな
STOP&GOでアクションさせると面白いようにヒットしました。
釣り始めて2時間で20本を数え、60オーバーも2本混じりすでに私は左うちわモード。
隣で苦戦していたT君がシビレを切らして私に、
「ちょっとそのルアー貸してくれません?」
と、言ってきました。
「別にいいけど…どうかなぁ…釣れるかなぁw」
素直に貸してあげればいいものを、私は高飛車な一言を付け加えました。
T君は私より年下ですが釣歴も長く、ルアーに関してのKnowHowだって間違いなく
上のアングラーです。
その証拠にすぐにこのルアーアクションのコツを掴んだT君は、ヒットを続けることになります。
私はそれまでの自分の釣果に満足していたので、T君に対して
「いいねいいねーw」
「お、さっきよりサイズアップしたんじゃない?」
などと最初は余裕のエールを送っていました。
しかしそのうち、さすがT君ロッドを大きくしならせます。
「でかい?」
「はい…でかいっス!」
ネットを持って近づくとちょうどアメマスが浮いてきました。
それは紛れも無く大物で、その日私が釣った60オーバーより一回りは大きなサイズでした。
私は、自作ルアーにヒットして嬉しいという半面、『やられた!』という嫉妬心を抱くのでした。
そんな私は思わず、
「アメちゃん!逃げて!」
と、冗談とも付かないことを言ってしまったのです。
「やめてくださいよwww」
と言いながらアメマスとファイトを続けるT君。
「ハハハw」
と誤魔化しつつファイトを見守ります。
しかし次の瞬間、ブチッと大きめの音とともになんと痛恨のラインブレイク。
足元の水草の中に走りこまれた直後のことでした。
「うわああ!マジでええ?」
その場にへたり込んでしまうT君なのでした。
私、
「・・・」
その後、釣りを続けるもアメマスより活性の落ちた私達は、間もなく納竿して帰路につきました。
T君、もう失言には気をつけるから来年も誘ってね。
《おわり》
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